・・・古代人魔戦争から500年・・
長引く戦争で疲弊した魔族たちは
数の少なさからやがて絶滅し
生き残った人間たちが、
繁栄の時代を迎えていた


北の大陸の中でも最大といわれるクレール王国・・・
この国がもつ強力な騎士団はその有能さで
クレールの長き平和を守ってきた。
しかし何年も続いた平和は皮肉にも
騎士団の弱体化を招き
平和に慣れた人間たちも
これからかの国に訪れるであろう最大の危機を
知る由も無かった



クレール王国、南端の小さな港町テーベ。
慎ましく漁業を営むこの街の海岸で、少女イレインは
漁師である父親の帰りを待っていた。

波打ち際に闇が落ち、諦めて帰ろうとしたそのとき、
彼女を魔物が襲う。

死を覚悟したイレインを救ったのは、
両の手に特殊な剣を持つ王都クレールの騎士だった――